- AWS認定試験12科目の難易度比較とおすすめの受験順序
- AWS認定試験の全体像
- AWS認定試験の難易度比較
- 各試験の難易度と特徴詳細
- Cloud Practitioner (CLF-C01)
- AI Practitioner
- Solutions Architect Associate (SAA-C03)
- Developer Associate (DVA-C02)
- SysOps Administrator Associate
- Machine Learning Engineer Associate
- Data Engineer Associate
- Solutions Architect Professional (SAP-C02)
- DevOps Engineer Professional (DOP-C02)
- Security Specialty
- Machine Learning Specialty
- Advanced Networking Specialty
- 試験難易度の視覚化
- おすすめの受験順序
- まとめ:自分に合った認定パスを選ぼう
AWS認定試験12科目の難易度比較とおすすめの受験順序
AWSの認定資格は現在12種類あり、それぞれ難易度や対象となる知識領域が異なります。この記事では、各AWS認定試験の難易度を比較し、効率的な受験順序をご紹介します。クラウド初心者から上級者まで、自分のキャリアパスに合わせた資格取得計画の参考にしてください。

AWS認定試験をこれから受けようと思っていますが、どの試験から始めるべきでしょうか?AWS認定資格は転職に有利と聞きますが、本当に価値があるのか悩んでいます…。

認定資格は単なる肩書きではなく、体系的に学ぶための道しるべです。まずはCloud Practitionerから始めて基礎を固め、その後は自分のキャリアの方向性に合わせて選ぶとよいでしょう。資格取得の過程で得る知識と自信こそが、本当の価値なのです。
AWS認定試験の全体像
AWS認定試験は、以下の4つのカテゴリに分類されています。2025年現在、合計12種類の認定試験が提供されています。
カテゴリ | 対象レベル | 含まれる試験 |
---|---|---|
ファンデーション | 初級 | Cloud Practitioner、AI Practitioner |
アソシエイト | 中級 | Solutions Architect、Developer、SysOps Administrator、Machine Learning Engineer、Data Engineer |
プロフェッショナル | 上級 | Solutions Architect、DevOps Engineer |
専門知識 | 特定分野 | Security、Advanced Networking、Machine Learning |

以前はDatabase SpecialtyやData Analytics Specialtyなどもあったと聞いたのですが、今はないのでしょうか?

鋭い観察ですね。AWSは市場のニーズに合わせて認定体系を定期的に見直しています。以前あったDatabase SpecialtyとData Analytics Specialtyは、新設されたData Engineer Associateに統合・再編されました。クラウド技術の進化と同様に、認定試験も常に最適化されているのです。

AWS認定試験の難易度比較
各AWS認定試験の難易度を5段階で評価し、比較してみました。この評価は試験内容の複雑さ、必要な知識の広さと深さ、実務経験の必要性などを考慮しています。
認定資格名 | 難易度 | 推奨経験 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|---|
Cloud Practitioner | ★☆☆☆☆ | 6ヶ月 | 90分 | 65問 | 700/1000 |
AI Practitioner | ★☆☆☆☆ | 6ヶ月 | 90分 | 65問 | 700/1000 |
Solutions Architect Associate | ★★★☆☆ | 1年 | 130分 | 65問 | 720/1000 |
Developer Associate | ★★★☆☆ | 1年 | 130分 | 65問 | 720/1000 |
SysOps Administrator Associate | ★★★☆☆ | 1年 | 130分 | 65問 | 720/1000 |
Machine Learning Engineer Associate | ★★★☆☆ | 1年 | 130分 | 65問 | 720/1000 |
Data Engineer Associate | ★★★☆☆ | 1年 | 130分 | 65問 | 720/1000 |
Solutions Architect Professional | ★★★★★ | 2年 | 180分 | 75問 | 750/1000 |
DevOps Engineer Professional | ★★★★★ | 2年 | 180分 | 75問 | 750/1000 |
Security Specialty | ★★★★☆ | 2年 | 170分 | 65問 | 750/1000 |
Machine Learning Specialty | ★★★★☆ | 2年 | 170分 | 65問 | 750/1000 |
Advanced Networking Specialty | ★★★★☆ | 2年 | 170分 | 65問 | 750/1000 |

Solutions Architect Professionalの難易度が最高レベルなんですね。これを取得すれば市場価値は上がるのでしょうか?ただ単に資格を取っても、実務経験がないと意味がないという声もよく聞きます…。

資格と経験は車の両輪のようなものです。資格だけでは走り出せませんが、体系的な知識がなければ効率よく進むこともできません。大切なのは資格取得の過程で得る「体系的な理解」と、それを実務で「応用する力」です。資格取得中の学びを小さなプロジェクトに活かしていけば、知識と経験を同時に積み上げることができますよ。
各試験の難易度と特徴詳細
Cloud Practitioner (CLF-C01)
難易度:★☆☆☆☆
AWSクラウドの基本的な理解を評価する入門レベルの試験です。
- 出題範囲:AWSクラウドの基本概念、セキュリティとコンプライアンス、主要サービスの概要、料金体系と請求
- おすすめの人:AWSを初めて学ぶ方、クラウドの基礎知識を証明したい方、ITバックグラウンドがない方
- 学習期間目安:2週間〜1ヶ月
AI Practitioner
難易度:★☆☆☆☆
AIとML、生成AIの概念とユースケースに関する基本的な理解を評価する入門レベルの試験です。
- 出題範囲:AI、機械学習、生成AIの基本概念、AWSのAI/MLサービス、AIのユースケース
- おすすめの人:AIに関心のある初心者、AIの基本知識を証明したい方
- 学習期間目安:2週間〜1ヶ月
Solutions Architect Associate (SAA-C03)
難易度:★★★☆☆
AWSでの安全で堅牢なアプリケーションの設計能力を評価します。
- 出題範囲:アーキテクチャ設計原則、AWS主要サービスの選択と組み合わせ、コスト最適化、セキュリティ設計
- おすすめの人:システム設計に携わるエンジニア、アーキテクト、1〜3年のIT経験がある方
- 学習期間目安:1〜2ヶ月
Developer Associate (DVA-C02)
難易度:★★★☆☆
AWSを使用したアプリケーション開発の知識とスキルを評価します。
- 出題範囲:AWS SDKの使用、CI/CDパイプライン、サーバーレスアプリケーション、APIの開発と管理
- おすすめの人:アプリケーション開発者、DevOpsエンジニア
- 学習期間目安:1〜2ヶ月
SysOps Administrator Associate
難易度:★★★☆☆
AWSプラットフォームの運用管理能力を評価します。
- 出題範囲:デプロイと運用の自動化、監視とロギング、システム性能の最適化、障害対応
- おすすめの人:システム管理者、インフラエンジニア
- 学習期間目安:1〜2ヶ月
Machine Learning Engineer Associate
難易度:★★★☆☆
AWSクラウド上での機械学習ソリューションの構築、デプロイ、保守能力を評価します。
- 出題範囲:機械学習のワークフロー、データ準備、モデルトレーニング、評価、デプロイ
- おすすめの人:機械学習エンジニア、データサイエンティスト
- 学習期間目安:1〜2ヶ月
Data Engineer Associate
難易度:★★★☆☆
AWSでのデータパイプラインの実装とコスト・パフォーマンスの最適化能力を評価します。
- 出題範囲:データ収集、ストレージ、処理、分析、可視化
- おすすめの人:データエンジニア、データアナリスト
- 学習期間目安:1〜2ヶ月

Data Engineer Associateは比較的新しい資格なんですね。以前のDatabase SpecialtyやData Analytics Specialtyと比べて、どのような違いがあるのでしょうか?

良い質問です。Data Engineer Associateは、データパイプラインの実装とコスト最適化に焦点を当てており、アソシエイトレベルで取得しやすくなりました。従来のSpecialty試験がデータベース管理や分析に特化していたのに対し、この新資格はより実践的なデータエンジニアリングスキルを証明します。クラウドの進化とともに、必要なスキルセットも変わってきているのですね。
Solutions Architect Professional (SAP-C02)
難易度:★★★★★
複雑な組織要件に対応する高度なアーキテクチャ設計能力を評価します。
- 出題範囲:複雑なマルチティアアーキテクチャ、マイグレーション戦略、大規模システムの設計、ハイブリッドアーキテクチャ
- おすすめの人:上級アーキテクト、クラウド設計のリーダー
- 学習期間目安:2〜3ヶ月
DevOps Engineer Professional (DOP-C02)
難易度:★★★★★
継続的デリバリーシステムの設計と運用能力を評価します。
- 出題範囲:CI/CDパイプラインの設計と実装、インフラのコード化、モニタリングとロギング、高可用性の確保
- おすすめの人:DevOpsエンジニア、リリースマネージャー
- 学習期間目安:2〜3ヶ月
Security Specialty
難易度:★★★★☆
AWSプラットフォームのセキュリティに関する専門知識を評価します。
- 出題範囲:データ保護、インフラストラクチャセキュリティ、IAM、ロギングと監視、インシデント対応
- おすすめの人:セキュリティエンジニア、セキュリティアーキテクト
- 学習期間目安:1.5〜2.5ヶ月
Machine Learning Specialty
難易度:★★★★☆
AWSでの機械学習ソリューションの設計と実装能力を評価します。
- 出題範囲:データエンジニアリング、探索的データ分析、モデリング、MLの実装と運用
- おすすめの人:データサイエンティスト、ML/AIエンジニア
- 学習期間目安:2〜3ヶ月
Advanced Networking Specialty
難易度:★★★★☆
複雑なAWSネットワークソリューションの設計と実装能力を評価します。
- 出題範囲:複雑なネットワークアーキテクチャ、ハイブリッドIT接続、ネットワークセキュリティ、自動化
- おすすめの人:ネットワークエンジニア、ネットワークアーキテクト
- 学習期間目安:1.5〜2.5ヶ月
試験難易度の視覚化
各試験の難易度を視覚的に比較してみましょう。

これだけの試験を全部取得するのは大変そうですね。会社の業務もあるので、効率的に勉強する方法があれば教えてください。

すべての試験を取得する必要はありません。自分のキャリアパスに合わせて選ぶことが大切です。効率的に学ぶコツは、実務と学習を結びつけることです。毎日15分でも継続的に学び、学んだ内容を実際のプロジェクトに適用してみる。また、AWSの無料枠を使って実際に手を動かすことで、理解は格段に深まりますよ。
おすすめの受験順序
AWS認定試験を効率的に取得するためのおすすめの受験順序をご紹介します。目的やキャリアパスによって最適な順序は異なりますが、以下の3つのパターンが一般的です。

認定資格は「知識の証明」だけでなく、学習の道筋を示してくれるロードマップとしても役立ちます。自分のキャリア目標に合わせて選びましょう!
1. アーキテクト志向のパス
- Step 1Cloud Practitioner
AWSの基礎知識を身につけ、クラウドの概念を理解します。
- Step 2Solutions Architect Associate
AWSの主要サービスとアーキテクチャ設計の基礎を学びます。
- Step 3Security Specialty
セキュアなアーキテクチャ設計のための専門知識を習得します。
- Step 4Advanced Networking Specialty
複雑なネットワーク設計の知識を深めます。
- Step 5Solutions Architect Professional
高度で複雑なアーキテクチャ設計能力を証明します。
2. 開発者志向のパス
- Step 1Cloud Practitioner
AWSの基礎知識を身につけます。
- Step 2Developer Associate
AWS上でのアプリケーション開発の基礎を学びます。
- Step 3SysOps Administrator Associate
運用面の知識を習得し、開発と運用の両面を理解します。
- Step 4Security Specialty
セキュアなアプリケーション開発の専門知識を習得します。
- Step 5DevOps Engineer Professional
CI/CDパイプラインの設計・実装などの高度なDevOps技術を証明します。
3. データ/ML志向のパス
- Step 1Cloud Practitioner
AWSの基礎知識を身につけます。
- Step 2AI Practitioner
AIと機械学習の基礎概念を理解します。
- Step 3Data Engineer Associate
データパイプラインの構築と最適化の知識を習得します。
- Step 4Machine Learning Engineer Associate
機械学習モデルの構築とデプロイに関する知識を深めます。
- Step 5Machine Learning Specialty
高度な機械学習ソリューションの設計と実装能力を証明します。

パスが明確になると計画が立てやすいですね。ただ、会社の業務をこなしながら資格を取るのは大変そうです。認定資格を取ったところで、実際に転職や独立に役立つのか不安もあります…。

その不安は自然なものです。資格だけで人生が変わるわけではありませんが、学ぶ過程で得る知識と自信が、新しい可能性を開きます。大切なのは「今日よりも明日、少しだけ成長している自分」を信じること。毎日の小さな進歩が、やがて大きな変化をもたらします。焦らず、自分のペースで一歩ずつ進んでいきましょう。
まとめ:自分に合った認定パスを選ぼう
AWS認定試験は、クラウドスキルを体系的に学び、証明するための優れた手段です。自分のキャリア目標に合わせて、効率的な受験順序を計画しましょう。
- クラウド初心者は、まずCloud Practitionerから始めるのがおすすめです
- アソシエイトレベルは、自分のキャリア目標に近いものを選びましょう
- プロフェッショナルレベルや専門知識は、実務経験を積んでから挑戦するとよいでしょう
- どの認定資格も3年間有効で、更新には再試験か上位資格の取得が必要です
- 一つの認定資格を取得すると、次の試験から50%の割引が適用されます

ありがとうございます。まずはCloud Practitionerから始めてみます。資格だけでなく、学ぶ過程も大切にしていきたいと思います。

素晴らしい決断です。旅の始まりは一歩目からです。クラウドの世界は広大で可能性に満ちています。技術を学ぶことは、単にスキルを得るだけでなく、問題解決の思考法を身につけることでもあります。その知恵は、キャリアだけでなく人生のあらゆる場面で活きてくるでしょう。いつでも相談に来てください。あなたの旅を応援しています。
AWS認定資格は単なる資格ではなく、クラウド技術を体系的に学ぶための道しるべでもあります。自分のペースで着実に進めていきましょう。